2021.06.21 ビザ・在留資格
著作・監修 北中彰 最終更新日: 2021/09/02

新型コロナウイルスによる外国人在留資格の特例措置

新型コロナウイルスによる外国人在留資格の特例措置

新型コロナウィルスの感染拡大の影響下、水際対策による移動制限から外国人の往来は滞っている状況が続いています。
2020年10月時点の厚生労働省が公表する『外国人雇用状況の届出状況まとめ』によりますと、外国人労働者数は 1,724,328 人、前年比で 65,524 人で4.0%の増加となっていますが、増加率はコロナ前年までの伸び率に比べて低い数値となっています。
法務省は、この異例の事態に対してコロナ禍の在留資格・特例措置について随時、状況に合わせて制度内容の取扱いについて発表しています。

目次

  1. コロナ禍の 特例措置、在留資格について
    1. 在留資格の概要
      1. 技能実習
      2. 特定技能
      3. 留学生
      4. 「技術・人文知識・国際業務」「技能」
  2. 在留資格「技能実習」の特例
  3. 在留資格「留学生」の特例

1.コロナ禍の 特例措置、在留資格について

在留資格の特例措置は、コロナ禍の雇用維持支援となります。対象者に適合する申請手続きについて、各所HPや以下の内容を踏まえて手続きを進めて行きましょう。
特例が認められる対象者は、以下の在留資格取得者となります。

  1. 技能実習生
  2. 特定技能外国人
  3. 留学生
  4. 「技術・人文知識・国際業務」「技能」

在留資格の概要

技能実習

外国人研修制度を前身とする「技能実習」は制度目的と実体が不整合なため、法改正を繰り返し雇用環境の改善を図っています。2010年労働関係法令に基づき、労働者として認められる技能実習生の法制度が整備されてきています。現況では、新たな在留資格「特定技能」への資格変更や技能実習3号への移行の流れがあります。

     

特定技能

2019年に始まった就労を認める在留資格。深刻化する日本の労働力不足を解消するために制定されました。14産業分野での就労が可能。コロナの影響により現地からの特定技能外国人の移動が制限されているため、在留外国人で「技能実習」または「留学生」からの在留資格変更が大きな流れとなっています。

留学生

日本の大学、大学院、短期大学、専修学校、高等学校、中学校、小学校において教育を受ける外国人に認める在留資格。2008年に策定された「留学生30万人計画」により、各国からの留学生の往来で一躍留学生が増加した経緯があり、当時問題となった留学生に対する28時間労働規制については雇用時の留意点となります。コロナ禍に停滞している元留学生に対しては在留資格変更の流れがあります。

技術・人文知識・国際業務」「技能」

学歴は大学卒とし、自然科学/人文科学分野/専門技術職/国際常務などに係わる就労を認める在留資格です。エンジニアやプログラマー、人事、総務、法務、経理、翻訳、通訳などが対象となる業種です。

在留資格を変更する場合は、①~④の在留資格いずれも、「特定技能」の産業14分野での就労を目指す者が対象となります。人手不足解消のために設けられた在留資格「特定技能」では、1号と2号の2種類に分別され、1号/在留期間を5年、2号では永住権取得も可能となります。また、技能試験と日本語検定試験は必須となります。特定技能の産業分野は以下の14分野になります。

  • 介護
  • ビルクリーニング
  • 素形材産業
  • 産業機械製造業
  • 電気・電子情報関連産業
  • 建設業
  • 造船・舶用業
  • 自動車整備業
  • 航空業
  • 宿泊業
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業

2.在留資格「技能実習」の特例

在留資格「技能実習」から特定活動」への在留資格変更が可能となります。
「特定活動」とは、法務大臣が外国人について特別な活動を認める在留資格です。「特定活動」は、出入国管理および難民認定法を改正せずにに新たな在留資格として活動が許可されます。今回はコロナ禍の特例措置として、技能実習から特定活動への移行が認められることによって、雇用継続のための手段として、また、停滞している実習生の支援となる特例となります。

  • 対象者:外国人技能実習生
  • 対象となる理由
    • 理由1
      本国へ帰国困難であるため
      理由2
      技能検定試験などが受検できないため
      理由3
      実習先の経営悪化により実習が継続できず、新た実習先が見つからないため
      理由4
      技能実習2号を修了者で特定技能1号へ移動に時間を要しているため
      理由5
      技能実習3号への移行に時間を要しているため
  • 申請内容について
    • 理由1の場合 
    • 在留資格「特定活動」に資格変更できます。在留期間6ヵ月で就労も可能です。申請条件は、今までと同じ業務または同じ業種に転職すること
      就労不可の場合は資格外活動許可が認められます。
      帰国できない状況が続いている場合には,さらに更新を受けることが可能です。

    • 理由2の場合
    • 在留資格「特定活動」に資格変更できます。在留期間は4か月で就労も可能です。申請条件は、今までと同じ業務を続けるまたは同じ受け入れ機関であること。

    • 理由3の場合
    • 特定産業14分野での就労が認められる在留資格「特定活動」への変更で、最大1年の就労が可能となります。

    • 理由4の場合
    • 特定技能1号へ移動期間中、在留資格「特定活動」への変更で就労が可能となります。

    • 理由5の場合
    • 在留資格「技能実習3号」への変更が可能です。

  • 申請時の注意点

    技能実習の修了者で在留資格変更する場合,帰国費用については本人の負担となりますが、負担ができない場合は受け入れ機関の負担となります。

    技能実習生の在留資格変更許可を受けた後、受け入れ機関で継続できなくなった場合は、「受入れ困難に係る報告書」の手続きが可能です。

  • 申請提出先と所要期間
  • 出入国在留管理局
    所要期間はおよそ1~2ヵ月

  • 必要書類
    • 申請書
    • 在留資格変更許可の申請書
    • 受け入れ機関の作成した説明書
    • 雇用契約による書面
    • 受け入れ機関が作成した賃金支払いの説明書
    • 以前の監理団体が作成した実習生の現在の状況についての説明書
  • 「技能実習」から「特定活動」へ移行の現況
  • (就労可)が36,900人、(就労不可)が1,700人
    (2021年3月時点の法務省公表)

3.在留資格「留学生」の特例

2021年3月の文部省公表によりますと、新規外国人留学生の入国は一時停止を引き続き継続するとのことです。
母国へ一時帰国している留学生に対しては再入国は認められています。またコロナ禍の移動制限により出国中に在留カードの有効期限が切れてしまった場合は、在留資格認定証明書の申請が必要です。
現在日本に停滞している留学生に対する特例は、在留資格「留学生」から「特定活動」への在留資格変更が可能となり、帰国困難、就職の内定を待っている期間または就職活動中の留学生に対する支援内容となっています。

  • 対象者:留学生
  • 対象となる理由
  • 理由1 本国へ帰国困難であるため
    理由2 就職活動や内定の待機期間のために時間に要しているため
  • 申請内容について
    • 理由1の場合
    • 帰国の準備ができるまでの期間、在留資格「特定活動」に資格変更できます。在留期間6ヵ月で就労も可能です。

    • 理由2の場合
    • 留学生の活動は卒業後1年以内に規定されていますが、コロナ禍の特例として資格外活動の許可が認められます。就職が内定後1年以内で卒業後1年6ヵ月以内の期間に対して「特別活動」が認められます。

  • 申請時の注意点
  • 留学生には週28時間のアルバイト規制があります。これに違反していた場合の留学生には、アルバイト先での時給や労働時間などについて質問と詳細の提示が求められます。場合によっては在留資格変更の手続きが受理されないこともあります。よって申請前には、留学生からの課税証明書を用意しておく必要があります。

  • 申請提出先と所要期間
  • 出入国在留管理局
    所要期間はおよそ1ヵ月

  • 必要書類(帰国困難な外国人)
    • 申請書
    • 写真1枚
    • 帰国困難である理由となる証明
    • 在留カード
    • パスポート
    • 卒業証明書
  • 必要書類(就職活動や内定を待っている外国人)
    • 在留期間更新許可申請書
    • 本人が作成した理由書
  • 「留学生」から「特定活動」へ移行の現況
  • (就労可)が14,000人、(就労不可)が100人
    (2021年3月時点の法務省公表)

さいごに

新型コロナウィルス感染拡大により、あわただしく変化する中、外国人雇用を継続または新規採用を進めるために、特例措置として在留期間を延長できる制度に緩和されています。
各種申請前の手続き準備として、在留資格に関する概要と変更内容についてのまとめでした。

参考元URL:出入国在留管理庁
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