2021.07.05 課題・トラブルの解決
著作・監修 北中彰 最終更新日: 2021/07/07

外国人労働者|文化と習慣の違い、トラブル解決法は?

外国人労働者|文化と習慣の違い、トラブル解決法は?

目次

  1. 外国人労働者|文化と習慣の違い、トラブル解決法は?
  2. 日本と他国の具体的な文化・習慣の違いの例
  3. 外国人労働者が活躍するにあたり問題になりやすいこと
    1. 仕事の優先順位
    2. 仕事の納期などの期限
    3. ビジネスマナー
  4. 外国人労働者が活躍できるように人事としてできることは
    1. 文化や風習は否定しない
    2. 自社の従業員への教育、外国人労働者の教育を行う
    3. 採用した外国人の配属部署だけに任せない
  5. 文化と習慣の違いを乗り越え、外国人労働者が活躍している事例
  6. まとめ

外国人労働者|文化と習慣の違い、トラブル解決法は?

文化や風習はそこで育った人の、考えや、感覚に大きな影響を与えます。日本人は日本文化・日本の風習に触れて育ち独特な考え・感覚を持っています。外国人の方も独自の文化で育ち独特な考え・感覚を持っています。ネパールでは複数人で13時に集まろうと約束しても、14時も大体13時であると考えるため、集まる時間はバラバラです。日本の風習とは大きく違いますね。こういった差はトラブルの原因となることがあります。原因となりやすい文化風習の差、対応策についてまとめました。

日本と他国の具体的な文化・習慣の違いの例

韓国

韓国では儒教の影響が強く残っており、年齢によって厳しく上下関係を決める傾向が残っています。例えば、年上の方の前では食べ物に先に口をつけてはいけない、ものを受け渡す際は両手で行わなければならない、煙草を吸ってはいけないなど、日本にも年上を敬う文化はありますが、韓国の方がより特徴が強いと言えるでしょう。実力主義などで上司部下に年齢の逆転が起こるような場合は、丁寧なコミュニケーションが必要になるかもしれません。

中国

仕事とプライベートを分け、プライベートを大切にします。日本では、自分の受け持っている仕事が終われば、同僚の仕事をフォローする方も多いかもしれませんが、中国では、自らの仕事が終われば、仕事は終わりです。前もって、現在与えている仕事以外にも担当してもらいたい仕事があれば明確に依頼しておく必要があります。
また、日本よりも合理的な思考をするケースが多いので、なぜその仕事を行ってもらうかを明確にしてから仕事を依頼する必要があります。さらに理由・合理性に納得感がなければ、一つの会社で長く働くことが美徳とされる文化がないので退職リスクもあります。

ネパール

冒頭に記載いたしましたが、ネパールでは時間をアバウトにとらえる風習があります。約束の時間に遅れても1時間くらいは許容されてきたため、何かに遅刻しても反省しない人が多いです。スケジュールどおりに行動できなければNGと評価する日本においては、なぜ、時間どおりに進捗させなければならないのか、ミーティングの時間を守らないといけないのか、採用・入社時に丁寧に説明しておくことが重要です。

ベトナム

仕事自体よりもプライベートの方を優先する傾向があります。仕事はプライベートを充実させるための稼ぐものと認識されている方が多く、サービス残業は当たり前ですが論外です。会社を身近に感じていただけるように会社の理念や大切にしていること、目指すことを丁寧に説明し、共感を得ることが大切になると思います。

タイ

ビジネスにおいてニックネームで呼び合うことが許容される商習慣があります。また、タイでは交通機関の遅延が頻繁に起こるため、移動が伴う場合、遅刻することが多々あります。このため、入社の際に、社内でどのように呼び合うか説明をし、決めておくことと、リモートなどでタイにて勤務される場合は、時間に余裕をもって行動いただくようお話ししていただいておくことが必要です。

インドネシア

受け取る賃金に見合った仕事をすればよいと考える風習があります。高給であれば、その分働く必要があると考えますし、薄給であればその程度でよいと考えます。自組織内で他者の給与と比較して判断するので、依頼する仕事とその対価、その方が成長し、今度どのようになっていただきたいのかをしっかり説明しておくことが必要です。

外国人労働者が活躍するにあたり問題になりやすいこと

仕事の優先順位

仕事とプライベートを切り分け、それぞれ充実させることは大切です。国によってはプライベートを重視される方が多いケースもあります。また、働く場所を一つの企業に固執しないケースもありますので、自企業へのロイヤルティをどれほど深く持っていただくかが、大切になります。

仕事の納期などの期限

時間にルーズな風習をもつ文化圏は意外に思うかもしれませんが多いです。クライアントへの納品期限を遅れてしまっては、大問題ですが、なぜ問題かは説明すれば理解いただける場合が多いようです。大概トラブルとなるのは、会社の会議に数分遅れるようなケースで、その社内の数分の遅れに対し、どう考え、どう指導するかが問題になります。

ビジネスマナー

韓国では年齢が大きな判断基準となるため、ビジネスで初対面であった時に年齢を聞くことは多々あります。また、タイなどでは社内ではニックネームで呼び合うこともあります。欧米では敬語はありません。そういった文化を企業が許容できるか、問題とならないように社内認識を統一できるかが問題になります。

外国人労働者が活躍できるように人事としてできることは

文化や風習は否定しない。

文化や風習を否定せず、受け入れることが外国人労働力を受け入れるスタートです。日本人の労働人口が少なくなり、デフレで海外に日本の人材が採用されていく中で外国人労働力を得られるか得られないかはこれからの企業の死活問題に関わります。文化や風習を否定し、外国人労働者より魅力のない企業と判断されるより、広く人材を確保する必要があるのであれば、他国の文化や風習を受け入れ、どうやったら外国人労働力が確保できるか、活用できるか、文化や風習の違いがリスクにならないようできるかを検討すべきだと思います。労働力を確保する力を向上していくことが今後さらに重要になっていくと考えられます。

自社の従業員への教育、外国人労働者の教育を行う

外国人に対し、日本の文化・風習の特徴の説明と日本でトラブルとなりやすいケースの説明などは人事が説明されると思いますが、それだけでは足りません。トラブルは外国人と一緒に働く仲間との間に起こりますので、必ず、外国人が所属する組織の長、出来たらその同僚を含め、所属する方の文化・風習の理解、および注意点、会社の方針・思想について共有し、外国人の方が活躍できるよう理解者と協力者を準備しておくことが大切です。

採用した外国人の配属部署だけに任せない

外国人の方が部署に配属し、OJT等が始まったとしても、人事としての役割は終了しません。採用した方への継続フォローはもちろんですが、どのようなことがトラブルとなったのか、活躍するまでに何か問題はなかったのか、日本人が活躍するまでのフローと差はどのようなものがあるかを把握し、施策に反映する必要があります。

文化と習慣の違いを乗り越え、外国人労働者が活躍している事例

オートメーション機器を製作する町工場A社様。エンジニアが足りず、人材の募集を長年行われていましたが、なかなか採用成功せず、人材派遣を活用して経営されていました。しかし、人件費の増大が経営を著しく圧迫するようになったため、外国人のエンジニアを初めて採用されました。(イスラム圏出身の2名とインドネシアの方)イスラム圏の方は信教の理由から一部の食べ物を食べられないので食材一覧を作成し、お祈りの時間を確保できる勤務体系を設けて対応。インドネシアの方にはプライベート優先でも勤務できる勤務体制を設けて対応し、なんとか定着・活躍いただいたとのことでした。年間かかっていた派遣費用3100万は1300万になったそうです。
その成功の前には、同じくイスラム圏の方1名と、インドネシアの方1名を採用したのですが、定着に失敗されています。理由は、宗教で1時間ほどお祈りが必要なことに社員が理解していなかったこと、食事制限があることから食事に外国人の方だけ誘わない状態が続いたこと。また、労働条件が固定残業制しかなく、プライベートの時間を確保しにくいことでした。その問題に歩み寄った結果、上記の施策を実施され、外国人労働力の確保に成功されたそうです。

まとめ

少子高齢化の進行と労働人口の減少により、企業が活躍する人材を確保することは、これからさらに難しくなっていきます。多くの企業で外国人労働力の確保が突破口になることは間違いありません。そのためには、外国人の文化や風習を受け入れ、どうやったら定着・活躍してくださるかを人事がまず考え、所属部署の上長と一緒になって働きかけていく必要があります。多様な価値観を受け入れる企業はきっと外国人に魅力的に見えるはずです。貴社の永続的な発展に本記事を役立てていただければ幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。