2021.07.05 必要書類・手続き
著作・監修 北中彰 最終更新日: 2021/08/06

外国人採用コスト|求人方法と採用コスト削減方法を解説

外国人採用コスト|求人方法と採用コスト削減方法を解説

目次

 日本企業の約半数は人手不足に陥っているデータが出ている昨今において、人材不足の対応策として外国人採用に注目が集まっており、外国人採用を行う企業も増加しています。

 そこで今回、外国人の採用コストがどのくらいかかるのか?また、求人方法と採用コストの削減方法等、外国人雇用について解説していこうと思います。

外国人採用コストはどのくらい?

一般的に外国人採用において必要となるコスト

  • 外国人の渡航費(アジア圏で5~8万円)
    外国人人材を呼び寄せる場合、渡航費用は雇用主側が支払うことが一般的です。
  • 就労ビザの取得費用(取得:10~15万円、更新:6~10万円)
    外国人を日本で雇用する場合、就労ビザが必要です。また、就労ビザには期限があるため、期限までにその都度更新が必要となります。
  • 現地での面接費用(10~30万円)
    現地で実際に会って決めたい場合は事業主の渡航費や宿泊代としてコストが発生します。

外国人採用の 1 人あたりのコスト

 実際に外国人採用の採用コストはどのくらいかかるのでしょうか?ある在留外国人専用の求人媒体の調査によると、警備員の職員では 1 人あたり約 10 万円、ホテル清掃のスタッフでは約 3 万円のコストがかかるとのことです。
 また、採用する雇用形態によっても異なりますので、採用コスト+就労ビザ取得費用と(在留外 国人以外の場合)渡航費用などが加わります。
下記に採用雇用形態の種類を記しています。

  • ①広告やインターネット利用
  • ②ハローワーク利用
  • ③大学や日本語学校の利用
  • ④域メディアや外国語メディアの利用
  • ⑤有料職業紹介会社の利用

日本人のアルバイト 1 人あたりの採用コストとの比較

下の表は各職種別に記した日本人のアルバイト採用コストになります。

警備員は 13 万 6000 円、施設内介護・看護は 10 万 1000 円と 1 人あたりの採用コストが高いことがわかります。

フード(キッチン) 5 万円
販売(アパレル) 4 万 7000 円
イベント派遣 1 万 2000 円
警備員 13 万 6000 円
仕分け・シール貼り 2 万 2000 円
配達・配送・宅配便 6 万 9000 円
施設内介護・看護 10 万 1000 円
塾講師・チューター 7 万 3000 円

 先ほどの外国人採用の 1 人あたりの採用コストと比較してみます。例えば、警備員3人採用する場合、日本人に比べ外国人採用をすることで約 10 万のコスト費用が抑えることができます。
 しかし、結局のところ外国人採用をする場合、採用コストに加え、就労ビザや渡航費用がかかるため日本人採用コストと変わらないという結果となってきます。

外国人の求人方法

外国人を雇用する際に注意すること

 外国人採用にあたり、在留資格(ビザ)の有無がとても重要となってきます。在留資格について説明していきます。

 ①在留資格とは?

 在留資格とは、外国人が日本に 60 日以上在留する際に、入管法の定めに従い発行される資格です。
 在留資格には29種類の資格があり、大きく分けると「活動系在留資格」と「身分系在留資格」 の 2 つに分けられます。

活動系...日本で就労する方向けの在留資格で、それぞれ定められた活動を行うことによって日本に在留することが認められる。
身分系...身分または地位に基づく在留資格。就労制限がなく日本人と同様に働くことができる。

 アルバイトやパートとして雇用できる在留資格には以下のものがあります。

  • 定住者
  • 日本人の配偶者
  • 永住者
  • 永住者の配偶者
  • ワーキングホリデービザ

 個別に許可を得ればアルバイト・パートとして雇用できる場合が以下の 3 つとなります。

  • 文化活動
  • 留学
  • 家族滞在

在留資格を持っていない人を雇用すると・・・

 在留資格を持っていない人、または適した在留資格でない人を雇用した場合、その事業者は「不法労働助長罪」として科せられます。

  • 3年以下の懲役もしくは 300 万円以下の罰金またはその両方が科せられます。

外国人を採用する際の流れと手続きについて

 ここからは、採用までの流れから採用後の手続きについて述べていきます。

 ①外国人を採用した際の流れ

 流れ自体は日本人を採用するときと変わりはありません。

  • 求人媒体などで募集をかける
  • 応募してきた人材の書類選考と面接を行う
  • 合否を連絡して、雇用契約を締結する

前述したように、外国人は在留資格よって雇用できるもの・できないものがあるため、在留資格の種類の確認を必ず行うことが大切です。

採用後に必要な手続きについて

 基本的には日本人採用と変わりなく、社会保険の加入、所得税・住民税の課税、給与 計算などを行っていきます。

 ただし、ある場合を除き、外国人採用した際にはハローワークへの届け出が法律上義務付けられています。

 ある場合とは、雇用保険の加入の有無です。

加入する→雇用保険の手続き(雇用保険被保険者資格取得届)により届出を兼ねる
加入しない→「外国人雇用状況届書」を作成しハローワークに提出

 手続きに悩んだ際は、近くのハローワーク等で問合せを行ってみてください。

採用コストの削減方法

・現地からの採用でかかる費用を抑えるためには

① 現地の学校・日本語学校を訪問し、自らスカウトする

 事業主自らが赴いてスカウトをすれば、人材のミスマッチを防ぐことができます。紹介料はかかりません。ミスマッチを防止して、採用した外国人社員が会社に貢献できれば、採用コストの無駄使いになることはないしょう。しかし、これを実際に行うには多大な時間とコストが必要になります。一回の渡航で安易に採用を決めようとすると、詐欺にあったり、法令違反を見逃したりしがちですので、少人数を採用する中小企業には向いていないでしょう。

② 人材紹介会社の活用

 人材紹介会社を活用することで、支援や管理業務、教育費などにかかる費用を含めた金額でサービスを展開しているため、トータル的な費用の削減につながります。また、日本語能力が高く、日本で働くことに情熱を持った外国人人材を見つけることができる可能性が高いです。前項でご説明したように、実際に海外に行って直接採用をすることは中小企業にとっては現実的では ないので、人材紹介会社を活用することをおすすめいたします。

③ SNS での求人募集

 外国人がよく利用する SNS で求人募集をするのも一つの方法です。無料でできるため、うまく 活用できれば、採用コストの削減につながるでしょう。

 しかし、普通の日本語で募集するのは難しいです。平易な日本語を使うか、できれば現地語で 求人募集をする必要があり、結果的に現地人を雇わないとコミュニケーションがうまくとれない ことが多いと思われます。

 また SNS 上で交わされる情報、人材の学歴、履歴、日本語証明書、パスポートなどにはウソが あることもあるので、真偽確認を行う必要があります。また、SNS 上では候補者との約束が反故 にされることも多くありますので、注意が必要です。

・日本からの採用でかかる費用を抑えるためには

① 日本語学校や大学・専門学校への求人広告

 アルバイトのメインにはなりますが、掲載料は基本的に無料ですし、1、2、3年生といった上下の繋がりからの紹介を次々と狙うことができます。

② リファラル採用の活用

 リファラル採用とは、すでに働いている社員に人材を紹介してもらう採用手法です。この手法のメリットは企業をよく知っている社員からの紹介のため、ミスマッチが少ないです。また、自社採用のため採用コストを大幅に削減することができます。

③ 採用代行を使用

 採用代行とは、採用業務を外部に依頼することをいいます。これまでかかっていたコストと比較しながら一定のコストの範囲内で採用代行サービスを活用することで、採用コストの削減につながる可能性があります。

※その他にも助成金制度を活用してコストを軽減する方法もあります。
雇用調整助成金や特定求職者雇用開発助成金、キャリアアップ助成金などがあります。
受給条件はありますが、条件を満たせば助成金を貰うことでき、コスト削減につながります。

まとめ

 今回、外国人採用コストや求人方法、採用コストの削減について解説してきました。
 外国人の採用コストは渡航費や就労ビザ取得費用等が含まれるため、日本人採用コストと大きく変わりがないことがわかりました。求人方法も日本人採用時と基本的には変わりありません。ビザ取得等、注意点に留意すれば企業における人手不足問題の解決策となり、さらに工夫すればコストの削減にもつながります。
 採用コストや人員不足に悩まされる人事担当者様は、この機会に外国人採用を1つの選択肢として入れてみるのはいかがでしょうか?