2021.07.06 未分類
著作・監修 北中彰 最終更新日: 2021/08/30

技能実習「送り出し機関」とは?その見極め方

技能実習「送り出し機関」とは?その見極め方

企業が技能実習を受け入れることを決断した後は、どうやって人材の確保を行うかが重要になります。 技能実習生を受入れたい企業は、監理団体を経由して送り出し機関と呼ばれる組織を活用して人材を集めていくのですが、 ここでは、送り出し機関の説明と、主に「監理団体」がどのようにして送り出し期間を選べばよいかについてご説明いたします。

目次は次の通りとなっています。

目次

  1. 技能実習「送り出し機関」とは?その見極め方
  2. 送り出し機関とは
  3. 送り出し機関の業務内容
  4. 送り出し機関を選ぶ際に知っておくこと
  5. 送り出し機関を選ぶポイント
  6. 人事として注意しておくべきこと
  7. まとめ

送り出し機関とは

外国人技能実習生を日本へ送り出す団体や企業を「送り出し機関」と呼んでいます。 送り出し機関は在留資格によって定義が違い、技能実習制度においては次のように定義されています。

技能実習制度における送出機関

技能実習制度における送出機関は技能実習生になろうとする者からの技能実習に係る求職の申込みを適切に本邦の監理団体に取り次ぐことができる者として、 規則第25条において定められている要件に適合する機関

出展:公益財団法人 国際人材協力機構
※「規則 第25条における外国の送出機関の要件」は出展元に記載があります。

現在では、ベトナムを中心として次の15ヵ国に送り出し機関があります。

インド、インドネシア、ウズベキスタン、カンボジア、スリランカ、タイ、中国、パキスタン、 バングラディッシュ、フィリピン、ベトナム、ブータン、ミャンマー、モンゴル、ラオス

送り出し機関の業務内容

送り出し機関の業務内容は募集から技能実習終了後の再就職支援まで行います。具体的には次に示す6つが主な業務となります。

① 技能実習応募者の募集と受け入れ企業の人材ニーズとのマッチング

技能実習を希望する方に情報を提供し、応募者を募ります。 募集後は、外国人技能実習生を受け入れる企業の人材ニーズに合わせて選抜を行い、推薦する方を決めていただきます。
※技能実習法により、日本で受け入れることができる人材には条件があります。条件を満たすかどうかの選別も送り出し機関で行ってくれています。

②日本語、日本のビジネスマナー、現場で必要となる実技などの各種研修

選抜した技能実習生候補に対し、日本で技能実習がスムーズに行えるように研修を行います。
約6カ月をかけて行い、実技試験・最終面接を実施後に、日本に技能実習生を送り出します。

③ 出国手続き・入社手続きなどのフォロー

健康診断を実施し、監理団体へ報告します。また、監理団体より在留資格認定証明書交付の連絡があれば、技能実習生のパスポート申請手続きを行います。

④ 技能実習中の問い合わせ・トラブル対応

技能実習生の送り出しが終わり、日本での技能実習が始まった後も、技能実習生の疑問や要望に対する回答や、トラブルに巻き込まれた際にアドバイスを行います。

⑤ 技能実習完了時の帰国手続きのフォロー

技能実習の完了が近づいてきたら帰国に必要な手続きや、登録されている方に帰国連絡を行います。 また、技能実習生が日本政府に対して支払いし過ぎているもの(厚生年金など)の返金手続き対応も行います。

⑥ 母国での再就職支援

母国で元技能実習生が活躍できるように母国での就職活動支援を行います。

送り出し機関を選ぶ際に知っておくこと

技能実習制度において、送り出し機関を選ぶのは監理団体の役目です。 監理団体が送り出し機関を選ぶ際に知っておいていただきたいことを次にまとめています。

・現地政府が認定していない送り出し機関が存在する。

トラブルに巻き込まれた際、送り出し国政府が認定している送り出し機関であれば、安心です。 また、現地政府に認定されていれば、違法な要求を行ってくること自体もなく、トラブルに巻き込まれることも少ないです。 現地政府が認定していない送り出し機関を利用しようとしたケースで技能実習生や企業から多額の紹介料を請求されたなどのトラブルが報告されています。

・海外にあるため、日本の法律ではなく、送り出し国の法律が適応される。

人材送り出し業務においては、送り出し国の法律が適応されます。トラブルとならないように対応していくことが大切です。 それぞれの国の文化・ビジネスマナー等を理解し、送り出し機関と契約してください。

・送り出し機関によって「送り出し管理費」に差が大きい。

専門的な分野を持つ送り出し機関や、規模など様々な特色があり、送り出し管理費は一律の金額となっていません。

・送り出し機関が技能実習生より保証金を受け取ることは禁止

技能実習生の失踪の防止や、実習先で従順に働かせるために、送り出し機関が技能実習生より保証金を受け取るということが、かつては横行していました。 しかし、2017年11月に技能実習法が改正され、外国人技能実習機構が法令違反の取締りを強化してからは、この悪しき商習慣は根絶されつつあります。

・キャッシュバック・過剰な接待は禁止

監理団体が受け取ってよいのは、受入企業からの管理費だけと決められております。 監理団体が送り出し機関からキャッシュバックを受け取ること、過剰な接待を受けることは禁止されています。 近頃は外国人技能実習機構がかなり厳しく取り締まっており、その数は少なくなってはいますが、見えないところで未だに横行しているようです。

・ブローカー行為(名義貸し)は禁止

送り出し機関が、送り出しライセンスがない団体の送り出し行為に対して、名義貸しをすることも禁止されています。

送り出し機関を選ぶポイント

次に、信頼できる送り出し機関であるかを確認するための注意事項を述べます。
送り出し機関は送り出し後も、技能実習生の実習中のフォローや、帰国時のフォローもしてくれるため、 受け入れ時だけの問題ではありません。しっかり信用できる先を選ぶ必要があります。 初めて利用される場合は、すでに技能実習生を受け入れている企業や他の監理団体から情報を得ておくことを強くおすすめいたします。

・(重要)政府認定の送り出し機関か。

基本的に各国の政府が認定している送り出し機関をおすすめします。 各国には政府が認定していない団体も数多く存在しており、これまで様々なトラブルが発生しています。

・技能実習生から高額なお金を支払わせていないか。

・採用すると監理団体や企業にキャッシュバックするような制度がないか。※ある場合、違法。

・現地担当者の日本語能力が高いか。日本での就労経験があり、日本のビジネスマナーに理解があるか。

・トラブルとなった際に相談できる部署があるか。トラブル時に相談できる日本駐在部署はあるか。

・当該送り出し機関とトラブルになっている企業がないか。

・当該送り出し機関が送り出した技能実習生とトラブルになっている企業がないか。


受入企業の人事部門として注意しておくべきこと

second

技能実習生の人材ニーズについては、受け入れる企業で自由に決めていただいて問題ないのですが、 国・地域により文化・風習が違うため、それを考慮して、監理団体経由で送り出し機関に依頼することが必要です。 時間の厳守など日本の文化・風習では当たり前となっていることが、海外では当たり前ではないことは多々あります。 そのような場合は、前もって社内で受け入れられるかどうかを検討し、どうしても受け入れられないような文化・風習があれば、 その点を守れる人材を選んでいただけるよう人材ニーズに盛り込んでおきましょう。 もちろん、制限すればするほど、外国人技能実習生は集まりにくくなりますので注意が必要です。

まとめ

技能実習生を受け入れる場合は、監理団体が信用できる送り出し機関を選ぶことが大切です。人材ニーズに合った人材を選定いただく必要がありますし、 受け入れた後にも問い合わせやトラブル対応を送り出し機関は行ってくれるため重要です。 また、そもそも違法な取引を行っている送り出し機関であれば契約を結ぶことも問題なため重要です。
ここでは、主に監理団体が送り出し機関を選定するポイントと注意点について記載をしましたが、 実際は技能実習生の受入実績がある他の監理団体や受入企業にヒアリングすることを強くおすすめします。
人材ニーズにマッチした人を紹介してくれたか、コミュニケーションは円滑だったのか、 入社後のフォローもしっかりしてくれるのかなどは漏れなく確認しておきたいことです。
同じ送り出し機関を使用するのであれば、ヒアリングした監理団体や受入れ企業にも色々と相談に乗ってもらえるかもしれません。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。よい技能実習生を採用でき、お役に立てば幸いです。