2021.07.07 技能実習
著作・監修 北中彰 最終更新日: 2021/08/27

技能実習 職種|技能実習生を受入れ可能な職種とは?

技能実習 職種|技能実習生を受入れ可能な職種とは?

目次

  1. 技能実習制度とは?
  2. 技能実習生を受入れ可能な職種とは?
    1. 農業関係(2職種6作業)
    2. 漁業関係(2職種10作業)
    3. 建設関係(22職種33作業)
    4. 食品製造関係(11職種18作業)
    5. 繊維・衣服関係(13職種22作業)
    6. 機械・金属関係(15職種29作業)
    7. その他(19職種35作業)
    8. 社内検定型の職種・作業(1職種3作業)
  3. 移行対象職種の注意点
  4. 技能実習生を受け入れるには?
  5. まとめ

「技能実習生に興味はあるけど、自分の会社で受け入れできるかわからない」とお悩みではありませんか? 技能実習制度では受け入れられる職種が決まっています。 職種によって滞在可能な期間が異なったり、仕事の内容に条件があったりと、初めて受け入れる時にはハードルが高いかもしれません。 この記事では、技能実習生を受け入れ可能な職種や受け入れ方法について解説します。

1.技能実習生制度とは?

技能実習制度は,開発途上国等の外国人に日本の技術を習得してもらい、帰国後、母国で役立ててもらうための制度です。 厚生労働省の調査(令和2年10月)によれば、外国人労働者約172万人のうち、技能実習生は約40万人で、全体の23.3%を占めています。
技能実習生が日本で就労するためのビザ「技能実習」には1号~3号があり、目的と滞在できる期間が次のように決まっています。

  1. 技能実習1号:入国後1年目の技能等を習得する。滞在期間は1年。
  2. 技能実習2号:2・3年目の技能等に習熟するための活動を行う。1号を経て、実技試験と学科試験に合格することが必要。滞在期間は2年。
  3. 技能実習3号:4・5年目の技能等に熟達する活動を行う。実技試験の合格が必要。滞在期間は2年。

このように、技能実習生は、最大5年間、日本に滞在することができます。
ただし、1号から2号、2号から3号へ移行できる職種は決まっています。そのため、技能実習生を受け入れる職種での滞在期間を事前に確認することが大切です。

2.技能実習生を受け入れ可能な職種とは?

技能実習生が従事できる職業は、厚生労働省等によって決められています。 1号から2号、2号から3号へ移行できる職業を「移行対象職種」と呼びます。 移行対象職種には、職業の分類を示す「職種」と、職種をさらに細かく分類した「作業」があります。
現在、移行可能な職種・作業は次のとおりです。(令和3年3月時点)

  1. ・技能実習2号移行対象職種 85職種 156作業
  2. ・技能実習3号移行対象職種 77職種 135作業

それでは、技能実習2号に移行可能な職種・作業について見ていきましょう。

2.1 農業関係(2職種6作業)

職種名 作業名
耕種農業 施設園芸
畑作・野菜
果樹
畜産農業 養豚
養鶏
酪農

2.2 漁業関係(2職種10作業)

職種名 作業名
漁船漁業 かつお一本釣り漁業
延縄漁業
いか釣り漁業
まき網漁業
ひき網漁業
刺し網漁業
定置網漁業
かに・えびかご漁業
棒受網漁業※
養殖業 ほたてがい・まがき養殖

2.3 建設関係(22職種33作業)

職種名 作業名
さく井 パーカッション式さく井工事
ロータリー式さく井工事
建築板金 ダクト板金
内外装板金
冷凍空気調和機器施工 冷凍空気調和機器施工
建具製作 木製建具手加工
建築大工 大工工事
型枠施工 型枠工事
鉄筋施工 鉄筋組立て
とび とび
石材施工 石材加工
石張り
タイル張り タイル張り
かわらぶき かわらぶき
左官 左官
配管 建設配管
プラント配管
熱絶緑施工 保温保冷工事
内装仕上げ施工 プラスチック系床仕上げ工事
カーペット系床上げ工事
銅製下地工事
ボード仕上げ工事
カーテン工事
サッシ施工 ビル用サッシ施工
防水施工 シーリング防水工事
コンクリート圧送施工 コンクリート圧送工事
ウエルポイント施工 ウエルポイント工事
表装 壁装
建設機械施工 押土・整地
積込み
掘削
締固め
築炉 築炉

2.4 食品製造関係(11職種18作業)

職種名 作業名
缶詰巻締 缶詰巻締
食鳥処理加工業 食鳥処理加工業
加熱性水産加工食品製造業 節類製造
加熱乾製品製造
調味加工品製造
くん製品製造
非加熱性水産加工食品製造業 塩蔵製品製造
乾製品製造
発酵食品製造
調理加工品製造
生食用加工品製造
水産練り製品製造 かまぼこ製品製造
牛豚食肉処理加工業 牛豚部分肉製造
ハム・ソーセージ・ベーコン製造 ハム・ソーセージ・ベーコン製造
パン製造 パン製造
そう菜製造業 そう菜加工
農産物漬物製造業※ 農産物漬物製造
医療・福祉施設給食製造※ 医療・福祉施設給食製造

2.5 繊維・衣服関係(13職種22作業)

職種名 作業名
紡績運転※ 前紡工程
精紡工程
巻糸工程
合ねん糸工程
織布運転※ 準備工程
製織工程
仕上工程
染色 糸浸染
織物・ニット浸染
ニット製品製造 靴下製造
丸編みニット製造
たて編ニット生地製造 たて編ニット生地製造
婦人子供服製造 婦人子供服既製服縫製
紳士服製造 紳士服既製服製造
下着類製造 下着類製造
寝具製作 寝具製作
カーペット製造※ 織じゅうたん製造
タフテッドカーペット製造
ニードルパンチカーペット製造
帆布製品製造 帆布製品製造
布はく縫製 ワイシャツ製造
座席シート縫製 自動車シート縫製

2.6 機械・金属関係(15職種29作業)

職種名 作業名
鋳造 鋳鉄鋳物鋳造
非鉄金属鋳物鋳造
鍛造 ハンマ型鋳造
プレス型鋳造
ダイカスト ホットチャンバダイカスト
コールドチャンバダイカスト
機械加工 普通旋盤
フライス盤
数値制御旋盤
マシニングセンタ
金属プレス加工 金属プレス
鉄工 構造物鉄工
工場板金 機械板金
めっき 電気めっき
溶融亜鉛めっき
アルミニウム陽極酸化処理 陽極酸化処理
仕上げ 治工具仕上げ
金型仕上げ
機械組立て仕上げ
機械検査 機械検査
機械保全 機械系保全
電子機器組立て 電子機器組立て
電気機器組立て 回転電機組立て
変圧器組立て
配電盤・制御盤組立て
開閉制御器具組立て
回転電機巻線製作
プリント配線板製造 プリント配線板設計
プリント配線板製造

2.7 その他(19職種35作業)

職種名 作業名
家具製作 家具手加工
印刷 オフセット印刷
グラビア印刷※
製本 製本
プラスチック成形 圧縮成形
射出成形
インフレーション成形
ブロー成形
強化プラスチック成形 手積み積層成形
塗装 建築塗装
金属塗装
鋼橋塗装
噴霧塗装
溶接 手溶接
半自動溶接
工業梱包 工業梱包
紙器・段ボール箱製造 印刷箱打抜き
印刷箱製箱
貼箱製造
段ボール箱製造
陶磁器工業製品製造 機械ろくろ成形
圧力鋳込み成形
パッド印刷
自動車整備 自動車整備
ビルクリーニング ビルクリーニング
介護 介護
リネンサプライ※ リネンサプライ仕上げ
コンクリート製品製造 コンクリート製品製造
宿泊※ 接客・衛生管理
RPF製造 RPF製造
鉄道施設保守整備 軌道保守整備
ゴム製品製造※ 成形加工
押出し加工
混練り圧延加工
複合積層加工

2.8 社内検定型の職種・作業(1職種3作業)

職種名 作業名
空港グランドハンドリング 航空機地上支援
航空貨物取扱
客室清掃※

これらの職種・作業のうち、「※」を付している職種・作業については、2号から3号へ移行することができません。 そのため、滞在期間が最大3年となるので注意が必要です。

【2号から3号へ移行できない職種・作業一覧】
・棒受網漁業
・農産物漬物製造業
・医療・福祉施設給食製造
・紡績運転
・織布運転
・カーペット製造
・グラビア印刷
・リネンサプライ
・ゴム製品製造
・客室清掃
・宿泊(宿泊業のみ、技能実習2号修了後、特定技能1号に移行が可能です。)

3.移行対象職種の注意点

技能実習生を受け入れる際は、移行対象職種の業務内容を十分に理解しなければなりません。 なぜなら、移行対象職種は、習得すべき技術が職種ごとに定められているからです。 技能実習生の業務には、「必須業務」「関連業務」「周辺業務」に分かれています。 「必須業務」は、全ての項目を必ず行い、年間実習時間の半分以上行う必要があります。
例として、宿泊職種の第1号技能実習について見てみましょう。

【必須業務】

1.接客・衛生管理作業

⑴利用客の送迎作業補助

①到着時、出発時の送迎
②手伝いを必要とする利用客への対応

⑵滞在中の接客作業補助

①利用客への挨拶
②客室への注文品の配送・提供
③荷物の預かりと返却

⑶会場準備・整備作業補助

①会場の清掃と準備
②テーブルセッティング
③食器類の後片付け

⑷料飲提供作業補助

①注文の受付
②料理の提供
③飲物の提供

⑸利用客の安全確保と衛生管理補助

①利用客の安全確保
②衛生管理

2.安全衛生業務

⑴雇入れ時等の安全衛生教育

⑵宿泊職種に必要な整理整頓

⑶宿泊職種の館内及び敷地内の安全確認

⑷宿泊職種における事故・疾病予防

⑸異常時の応急措置を習得するための作業

⑹労働衛生上の有害性を防止するための作業



【関連業務】

⑴玄関周辺の接客作業

⑵客室への案内作業

⑶客室の清掃・整備作業



【周辺業務】

⑴食器洗浄作業


このように、職種ごとに業務の基準が詳細に定められています。 技能実習生の業務は、経験を積むにつれてより専門的になります。 受け入れ企業において、定められた業務を全て行うことができるか確認が必要です。

4. 技能実習生を受け入れるには?

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技能実習生を受け入れる場合、「企業単独型」と「団体監理型」の2つの受け入れ方法があります。

  1. 企業単独型:日本の企業が外国の現地法人や取引先企業の職員を受け入れて技能実習を行う。
  2. 団体監理型:商工会や事業の協同組合等の非営利監理団体が技能実習生を受け入れ、加入している企業で技能実習を行う。

令和元年度のOTIT(外国人技能実習機構)の統計によると、企業単独型の受入れは2.9%、 団体監理型の受入れは97.1%となっており、ほとんどの企業が団体監理型で受け入れていることがわかります。
団体監理型であれば、受け入れの手続きなどを、監理団体が行ってくれます。 監理団体は全国で3,000か所以上あり、サービスや監理費用が異なります。 そのため、自社のニーズに合った監理団体を選ぶことが重要です。

5. まとめ

技能実習生は、職種により滞在期間が異なります。 不法就労などのトラブルを防ぐために、事前に滞在可能な期間を把握することが大切です。 また、移行対象職種では、それぞれの職種・作業ごとに実習生が行う業務が詳細に定められています。 全ての内容について、実習生に従事させることができるか確認することも必要です。
現在、技能実習生の受け入れは、団体監理型が大半を占めています。 良い人材を選び、スムーズな受け入れや運営を行うためには、自社に合った監理団体を選ぶことが重要です。