2021.07.27 ビザ・在留資格
著作・監修 北中彰 最終更新日: 2021/08/02

特定技能「産業機械製造業」|外国人を雇用するためには?

特定技能「産業機械製造業」|外国人を雇用するためには?

今回は特定技能「産業機械製造業」について解説をしていきたいと思います。

様々な製造業の中で産業機械製造業人材不足が叫ばれている産業になっており、2023年時点では7万5千人の人材不足と試算されています。こういった状況を踏まえて、日本政府は人材不足の解決をはかるため、特定技能「産業機械製造業」を創設しました。

ここでは、特定技能「産業機械製造業」に関して現状から取得に際する手続きまで詳しく解説をしていこうと思います。

目次

  1. 産業機械製造業について
  2. 産業別にみた外国人を雇用している事務所の割合
  3. 産業機械製造業の現状と課題
  4. 特定技能「産業機械製造業」の資格取得方法とは?
  5. 特定技能「産業機械製造業」外国人雇用の申請に必要な書類
  6. 特定技能「産業機械製造業」対象の職種、雇用形態、報酬
  7. 特定所属期間が注意すべきこと
  8. 特定技能「産業機械製造業」の労働者を雇用するには?
  9. まとめ

産業機械製造業について

そもそも「産業機械」とはいったい何を指すのでしょうか?
「産業機械」とは工場や事務所の中で使われる機械全般のことを言います。

具体的には、日本標準産業分類に掲げる産業のうち、次のいずれかに該当する事業所で行われる製造業を指します。

細分類2422--機械刃物製造業
小分類248--ボルト・ナット・リベット・小ねじ・木ねじ等製造業
中分類25--はん用機械器具製造業(細分類2534-工業窯炉製造業、細分類2591-消火器具・消火装置製造業及び細分類2592-弁・同付属品製造業を除く)
中分類26--生産用機械器具製造業(細分類2651-鋳造装置製造業、細分類2691-金属用金型・同部分品・付属品製造業及び細分類2692-非金属用金型・同部分品・付属品製造業を除く。)
小分類270--管理、補助的経済活動を行う事業所
小分類271--事務用機械器具製造業
小分類272--サービス用・娯楽用機械器具製造業
小分類273--計量器・測定器・分析機器・試験機・測量機械器具・理化学機械器具製造業
小分類275--光学機械器具・レンズ製造業

こういった機械を製造していく産業が「産業機械製造業」と呼ばれています。

日本の経済において非常に重要な役割を果たしている「産業機械製造業」は、インフラの整備や多様な生産物を世に送り出す、製造業の中でも中心的な役割を果たしています。

産業別にみた外国人を雇用している事務所の割合

厚生労働省がまとめた「外国人雇用状況」の届出の状況によると、外国人の就労者が多くを占めている事業は製造業で、その割合は21.4%にのぼります。

製造業において、年々外国人の労働者は増加傾向にあり、雇用する事業所の数も増加の一途をたどっています。

産業機械製造業の現状と課題

産業機械製造業の需要は年々高まってきています。
特に工作機械・ロボット等の産業機械は伸びている分野です。

しかしながら、需要はあるにもかかわらず、産業機械製造業での労働者は年々減少傾向にあり、なかなか改善する見通しが立っていないのが実情です。

産業機械製造業において、日本政府は労働力不足解消を目的に、国内での人材供給確保や生産性の効率化に取り組んできました。

そうした取り組みに反して、実際に労働力不足の解消には至っておらず、産業機械製造業における労働力不足は2023年時点で7万5千人にのぼる見込みになっています。

有効求人倍率

平成29年度時点で産業機械製造業の関連分野に関して、有効求人倍率は2.89倍となっています。

職種ごとで分けていくと、金属溶接・溶断工が2.50倍、金属プレス工2.97倍、プラスチック製品製造加工が3.70倍の有効求人倍率となっています。

全業種の平均した有効求人倍率は1.46倍です。全業種と比較した際には大きく上回る結果となっています。

特定技能「産業機械製造業」の資格取得方法とは?

外国人が産業機械製造業分野において就労する際に、必要条件として「製造分野特定技能1号評価試験」に受験し合格することが必須となっています。

この製造分野特定技能1号評価試験ですが、全部で13種類の業種に分かれています。チェックする項目としては、それぞれの業種において加工・設備保全等の技術レベルを見ています。また、それが冗長からの指導、または自発的に行えるかどうかも見ています。

業種は以下記載の13種類が指定されています。

  • 金属加工
  • 工場板金
  • 金属プレス加工
  • 部品の仕上げ
  • めっき
  • 機械保全
  • プリント配線版製造
  • 電気機器組み立て
  • 電子機器組み立て
  • 工業包装
  • 塗装
  • プラスチック製形

ちなみにレベルとしては技能検定3級相当(技能実習2号修了相当)となっています。

さらに、検定機関が実施している日本語能力試験をクリアする必要があります。
具体的には、国際交流基金が実施している日本語基礎テスト、もしくは、日本国際教育支援協会(JLPT)が実施している日本語能力試験「N4」相当に合格する必要があります。

N4ですが、日本語能力試験において5段階中下から2番目のランクとなっています。
合格に必要なレベルですが、日常会話が可能な日本語レベルが求められます。
定義されている具体的な内容としては、「基本的な漢字・語彙を用いて記載されている文章を読んで理解できる」「ゆっくりと話される会話をほぼ理解できる」レベルとされています。

ちなみに、同じ職種の技能実習2号修了者の場合は、日本語能力試験や製造分野特定技能1号評価試験が免除されます。

特定技能「産業機械製造業」外国人雇用の申請に必要な書類

特定技能人材を雇用する企業は、製造業特定技能外国人受け入れ協議・連絡会への加盟が必須となっています。
協議会への加盟については、協議会が運営しているホームページからアクセス可能な、入会申請システムで申請を行うことが必要です。

必要となる情報は以下記載の通りです。

  • 法人番号
  • 社名
  • 代表者名
  • 会社住所
  • 会社のホームページまたは事業概要
  • 担当者名
  • 連絡先(電話番号)

このホームページからは、事業の関連資料をPDFファイルにてアップロードが可能です。任意とはなりますが、スムーズに審査を通すためにも、関連資料がある場合にはアップロードをおすすめいたします。

この協議会ですが、政府の外国人受け入れに対する最新の情報や、事業者ごとの参考事例が多く載っているので、外国人の受け入れを実施している事業者や、特定技能人材を受け入れる予定の事業者は定期的にチェックすることをおすすめします。

特定技能「産業機械製造業」対象の職種、雇用形態、報酬

対象職種

前述にもありますが「産業機械製造業」の分野で特定技能人材を雇用する場合、受け入れが可能な産業には制限があります。以下の「日本標準産業分類」に対応している10業種が受け入れ可能となっています。

  • 機械刃物製造業
  • ボルト、ナット、リベット、小ねじ、木ねじ等製造業
  • はん用機械器具製造業
  • 生産用機械器具製造業
  • 業務用機械器具製造業
  • 管理、補助的経済活動を行う事業所
  • 事務用機械器具製造業
  • サービス用、娯楽用機械器具製造業
  • 軽量機、測定器、分析器、試験機、測量機械器具、理化学機械器具製造業
  • 光学機械器具・レンズ製造業

雇用形態

可能なのは直接雇用のみです。

報酬

特定技能外国人労働者に支払う給与は、基本的に日本人と同等もしくはそれ以上にする必要があります。
給与の支給方法に関しても、「月給制」で安定的にお支払いすることをおすすめいたします。
さらに技能のレベルに応じて昇給を行なっていくことも記載する必要が出てきます。

特定所属機関が注意すべきこと

特定技能人材の受け入れ可能人数は5年間で4700人と制限されています。特定技能人材は転職もできるため、時間が経つにつれて採用の難易度も上がる可能性があります。検討されている企業(特定所属機関)は早めに動き出すことが重要になります。

特定技能「産業機械製造業」の労働者を雇用するには?

採用ルートは様々ですので、登録支援機関や人材紹介会社に確認した方がいいでしょう。

例をあげると、ミャンマー人を雇用する場合、現地斡旋業者及び国内の人材紹介会社を通して雇用をします。ベトナム人やネパール人を雇用する場合、現地送り出し法人から斡旋してもらうことになります。フィリピン人を雇用する場合は、駐日フィリピン大使館海外労働事務所(POLO)の許可を取った後に、フィリピン海外雇用庁(POEA)が認めた現地斡旋業者が人材を集め、送り出しを行うという流れになります。

まとめ

特定技能「産業機械製造業」について解説をしていきました。
産業機械製造業に限らず、特定技能外国人を雇用するは様々な手続きを踏むため、かなりの時間と労力を伴います。
早めの準備も重要になってきますので、検討されている方は、ぜひ登録支援機関や人材紹介会社に一度相談してみてはいかがでしょうか?