2021.08.20 注意点・ポイント
著作・監修 北中彰 最終更新日: 2021/08/20

製造業での外国人雇用|制度と方法、注意点まとめ

製造業での外国人雇用|制度と方法、注意点まとめ

目次

  1. はじめに
  2. 製造業の在留資格
    1. 製造ライン部門
    2. 技術部門、事務部門
  3. 製造業特定技能外国人受入れ協議・連絡会
  4. 製造業における外国人雇用のメリット
    1. 若者の労働者確保
    2. 職場環境の改善
  5. 注意点
    1. 在留資格の確認
    2. 転職に関して
  6. まとめ

1. はじめに

今回は、製造業での外国人雇用に関して、必要な在留資格や注意点などをご説明します。 今も昔も変わらず人手不足な製造業界ですが、その問題を解消する方法として外国人の受け入れは非常に有効です。 ただ、職種によって必要な在留資格が分かれていたり、2021年3月より手続きが一部変更になっていたりと確認しなければいけない事項が多くあります。 が広がり注目が集まっています。

2. 製造業の在留資格

ここでは、製造業の在留資格についてご説明します。 在留資格は、その取得時にどのような職種に従事できるか制限されています。 その職種は大きく分けると下記の3つに分類できます。 まっています。

  1. 製造ライン(現場)部門
  2. 技術部門
  3. 事務部門

上記の職種ごとに、どの在留資格で雇用できるのかご説明していきます。

2-1 製造ライン部門

製造ライン部門で働く外国人は、「技能実習1・2・3号」「特定技能1号」などで雇用できます。

①技能実習1・2・3号
技能実習は、開発途上国から一定期間「実務研修」という形で雇用され、そこで日本の技術や技能・知識を習得してもらい、 母国に持ち帰ることでその国の経済発展に役立ててもらう制度です。多くの場合は事業協同組合を通して受け入れる形が一般的になります。 技能実習は、産業分野だけでなく職種と作業内容まで細かく法律で制定されているため、当該製造業務が、技能実習の対象に当てはまっているかの事前確認が必要です。

(参考)技能実習「製造業」|外国人を製造業で雇用するためには?
リンク先<https://media.jumpjapan.net/archives/3777>

②特定技能1号
特定技能は、2019年に創設された在留資格で、深刻な人手不足の状況を改善するために、一定の専門性・技能を有し即戦力となるような外国人の人材を受け入れる制度です。 要件としては、当該業務の「技能実習生2号」を修了している、もしくは、日本語評価試験かつ製造分野の特定技能1号評価試験に合格することが必要になります。 最大5年間、単純労働にて雇用が認められています

製造業において、特定技能の在留資格は下記の4つで認められています。

  1. 産業機械製造業
  2. 素形材産業
  3. 電気・電子情報関連産業
  4. 飲食料品製造業

(参考)特定技能「製造業」|外国人を製造業で雇用するには?
リンク先<https://media.jumpjapan.net/archives/3771>

③その他
上記二つの在留資格以外にも、製造業において雇用可能な在留資格はあります。

その一つとして、「特定活動46号」という在留資格でも上記の業務に携わることができます。 この在留資格は、2019年に創設され、本邦大学を卒業した外国人の国内企業への就職率を3割から5割に上げることを目的とした制度です。 日本の大学、大学院を卒業の他に日本語能力試験(JLPT)でN1、またはビジネス日本語能力テスト(BJT)で480点以上であることという条件はありますが、 現場スタッフとしての雇用が可能です。

ただ従事できる仕事として、「日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務」かつ「本邦の大学または大学院において習得した広い知識 及び応用的能力を活躍するものと認められること」という条件があります。これは、ただ単純な現場仕事ではなく、 技能実習生や他の外国人従業員に対して外国語で伝達指導をしつつ、自らも製造ラインに入って業務を行うような業務のことを指します。

また、「定住者」の在留資格を持つ外国人も製造業における単純作業は可能です。就労制限がないので工場内での作業など単純作業とみなされる場合でも雇用は可能です。 加えて、「日本人の配偶者等」「永住者」「永住者の配偶者等」の外国人も就労制限がないため、工場内作業での雇用が可能です。

2-2 技術部門、事務部門

技術および事務部門で外国人を雇用できる在留資格は、「技術・人文知識・国際業務」です。 この資格は、特に専門知識や技術を必要とされる業務に携わる外国人労働者に与えられます。 技能実習や特定活動に比べて採用にかかるコストや労力が少ないので、企業にとってはできればこの在留資格で採用したいというニーズが高いです。

具体的な仕事としては、主に下記です。管理業務に携わることができるのが特徴です。

技術部門

  1. CADオペレーター・NCオペレーター
  2. 製品の開発
  3. 生産・品質管理
  4. 技術教育

事務部門

  1. 海外拠点との通訳・翻訳
  2. 人事総務
  3. 会計
  4. 経理
  5. マーケティング
  6. 企画
  7. 営業

働く要件としては、大学(短期大学含む)を卒業または日本の専門学校を卒業し、専門士の学位を取得していることです

(参考)技術・人文知識・国際業務ビザ(在留資格)とは何か?
リンク先<https://media.jumpjapan.net/archives/333>

3. 製造業特定技能外国人受入れ協議・連絡会

3-1 産業機械製造業/素形材産業/電気・電子情報関連産業

産業機械製造業/素形材産業/電気・電子情報関連産業において特定技能外国人を受け入れる機関(受け入れ企業)は、 「製造業特定技能外国人受入れ協議・連絡会」に必ず加入する必要があります。 これは経済産業省やその他の関係省庁、業界団体などが構成員として密に連携を図り、制度や情報の周知、 各地域の事業者が必要な特定技能外国人を受け入れる体制を整えることを目的としています。 注意点として、これまでは、初めて特定技能外国人を受け入れる場合には、受け入れた日から4月以内に協議・連絡会への入会が必要でしたが、 2021年3月1日から、入館庁における手続きの前に協議・連絡会への入会が必要となりました。

3-2 飲食料品製造業

飲食料品製造業において特定技能外国人を受け入れる機関(受け入れ企業)は、特定技能の受入れから4ヶ月以内に、 「食品産業特定技能協議会」の構成員にならなければなりません。 これは、企業同士の情報共有や、不正予防、また、特定技能の受入れ状況を把握するといった目的で、農林水産省が運営する組織です。

4. 製造業における外国人雇用のメリット

外国人の雇用にはお金や手間がかかりますが、それ以上に価値・メリットをもたらします。

4-1 若者の労働者確保

今日、日本は少子高齢化が進み、それに伴う労働人口の減少が問題視されています。製造業界に関しても例外ではなく、 若者離れによる現場の高齢化が進行しています。 その問題を解消するのが外国人の採用です。近年の政府の取り組みによって日本で働く外国人の数は増加しており、 外国人労働者の雇用に力を受け入れている企業も増えています。 今から外国人を受け入れる体制を整えることで、将来的に人材不足に悩むことはなくなるでしょう。

4-2 職場環境の改善

外国人の雇用は、職場環境をより良いものにできるチャンスかもしれません。その職場で働く日本人スタッフにとって、 ルーティン化した仕事や毎日同じ人としか顔を合わせない環境はモチベーションの低下に繋がります。 外国人を採用することで、新たなコミュニケーションが生まれ職場の雰囲気に活気が出る可能性は高いでしょう。 また、外国人労働者は自国の家族への仕送りや自国への知識・技能の還元など働く意欲が旺盛です。 その真面目な姿勢に影響を受けて日本人労働者のモチベーションが上がり、企業の業績が上がるといったことも期待できます。

5. 注意点

5-1 在留資格の確認

まず第一に、仕事内容に合った在留資格を持っていないことには外国人が日本で働くことはできませんので、しっかりと確認しましょう。 仕事内容に合った在留資格を持っていない状態で働くことは不法就労にあたり、受け入れ側がそれを知らなかったとしても 在留資格の確認をしていないなどの過失がある場合は処罰の対象となる可能性があります。

5-2 転職に関して

業務区分が認められていない分野へは、転職することができないので注意が必要です。 例えば、素形材産業分野から素形材産業分野への転職や、素形材産業分野の「鋳造」という業務区分から産業機械製造業の「鋳造」への転職は可能です。 ただ、電気・電子情報関連産業では、「鋳造」の業務区分は認められていないので、素形材産業の「鋳造」という業務区分から電気・電子情報関連産業分野への転職はできません。

6. まとめ

今回は、製造業における外国人雇用に関してご説明しました。在留資格に関しては職種ごとに異なりますが、大きく分けて「技能実習」「特定技能」「技術・人文知識・国際業務」の3つです。「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持っている外国人が管理業務にも携わることが可能です。 受け入れ機関にはいくつかの注意点があり、その一つとして、2021年3月より「製造業特定技能外国人受入れ協議・連絡会」には入管庁における手続きの前に入会が必要となったことが挙げられます。 それらをしっかり確認して、正しく外国人の受け入れを行いましょう。